語学

僕が『多言語取得者』を目指すきっかけになった一本の動画

意気揚々と海外に出て数年。

今だから言えるけど、海外に出たのは
『日本で普通の企業で人生を消耗したくない』
という感情が強かったからです。超後ろ向き。

「海外に出れば刺激的かも!」
ギャンブル精神で日本を
飛び出してしまったんです。

もちろんそんな状態だから
言語学習にもモチベーションなんてなく…
「10ヶ国語話せるようになってやるぜ!」
なんて感情は微塵もありませんでした。

そんなフラフラした状態の4年前。
僕の意識を大きく変えてくれた
一本の動画に出会いました。

動画の話は『とある若者の奇妙な趣味』
言語学習
について。

彼は自分の摩訶不思議な経験を通して
言語学習のあり方や学習法の解釈を主張。

動画につけられたタイトルは
[aside type=”boader”]
Breaking the language barrier
=言語の壁をぶっ壊す」 [/aside]
有名なTED×Talksでの動画です。

この16分ほどの動画に
僕は心を奪われてしまいました。

そして初めて
[aside type=”warning”]
Polyglot=
多言語取得者 [/aside]

という生き方を認識した瞬間でもありました。

取得言語は20ヶ国語以上!
『Polyglot』 Tim Donerは語る言語学習のあり方

求められたのは「勉強法」よりも「奇抜性」

2012年に雑誌”New York Times”に
『多言語話者 ティム・ドナーは語る』
というテーマのもと彼の記事が乗ったことが
きっかけでテレビ出演のオファーが殺到するように。

ただ、最初は光栄に思っていたティムも
少しずつ違和感を覚えてきたのだとか。

話題はまず、
『とあるテレビ番組に出演した時』
の話から始まります。

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]本日のゲストはティム・ドナーです!
彼は20ヶ国語が流暢に話せる…おっと失礼。

25ヶ国語で相手を罵倒でき、
それ以外にも
10ヶ国語を話せちゃうんです。

[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]ティム。観客の皆さんに
『おはよう
』と『見てくれてありがとう』を
イスラム語で言ってくれない?
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]…………………………[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]…えーと。”アラビア語”ですよね…
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]すごいねティム!
じゃあ次にドイツ語で自己紹介してから
『23ヶ国語がペラペラです』って言ってみて
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]別に流暢じゃないけど…でも[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]いいからいいから。とにかく言って[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]完璧だ!お次は中国語の早口言葉をお願い![/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]…あのー。それより中国について話してもいいですか?
中国語を学ぶアメリカ人も増えてきていますから、
そういった話の方が価値があるんじゃn
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]そんなのはいいから早口言葉を。[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]……………………[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]やるねぇティム!
他の中国語の早口言葉はあるかな?[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]そ、それより中国の話しません?
言語を学ぶことで得られるものがたくさんあると思うんd
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]おっとごめんねティム。時間切れだ[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]最後に観客に『さようなら』と
トルコ語で言ってくれ。それで終わりにしよう。
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]大事なこと、何も話できてませんけど…[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]トルコ語、よろしく[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]すごいねー、彼ならどんな女性でも簡単に口説けそうですね[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4405-e1521446462988.jpg” name=”司会” type=”l line”]チャンネルはまだまだ続きます!次のゲストは
『水着のブルドッグがスケートボードに挑戦!』
[/voice]

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4401-e1521446275188.jpg” name=”TIM” type=”r”]
[/voice]

 

学習方法やその根本となる部分など
本当に必要な事を伝えようとしているのに
『とりあえず色んな外国語を
喋らせとけば盛り上がるだろ』
という部分だけ注目されて、
完全に見世物のような扱いを受けています。

言語学習に対する『認識不足』と『軽視』

この放送を通して、ティムは2つの大きな問題に着目。
[aside type=”boader”]

  • 言語学習はただの『コミュニケーションツールの取得』だという認識不足
  • 『外国語を取得する』という価値が軽く見られている事実

[/aside]

これは日本やアメリカに限らず、
世界的にこのイメージが強いと言われてます。

彼自身も、言語を学習する目的の最大の理由として

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4518.jpg” name=”TIM” type=”r”]人々とコミュニケーションを取るため
異文化を理解するために勉強している
[/voice]

と考えているのに対し

『こいつは一体何ヶ国語を話せるんだ!』
の部分にばかり注目を浴びるように。

そのせいで彼は一時期義務感みたいなものを
感じてしまうようになったそうです。

そして一番の話の中心である
『言語取得の軽視』と言う点。

外国語を話したり理解したりする
能力や技術が軽く見られがち。
『言語を勉強する』と言う行為は
『辞書や教科書に載っている単語を覚えるだけではない』
ということを理解してほしいと主張してます。

言語学習のきっかけは『子役のオーディション』

続く話は彼の生い立ちについて。

小さい頃に子役を経験していたというティム。
色々なオーディションを受けることで
自分のある特技に気づいたそうです。

それは他人のアクセントを
真似るのが上手い
という特技。

平たく言えばモノマネ。
ありとあらゆるモノマネをしていくうちに、
外国語のアクセントや話し方のパターン
理解するようになったそうです。

外国語を上手に理解するための重要な技術を
知らない内に取得していたようです。

そして小学校3年生の時に
学校の授業でフランス語の勉強を開始。
僕らが「うんこー!」っていう下品な単語ですら
笑いの種になっていた時代、彼はすでに

「うんこはフランス語でなんというのだろう

と真面目に考えていたことでしょう。

しかし、勉強してからおよそ2年が経っても
彼はフランス語で話せるようにならなかった

当時はまだ彼にとってフランス語は
学校で勉強する教科の一つに過ぎず

いくら単語がわかったところで
流暢な会話をすることなんて
全くできなかったらしいです。

ものすごい思い当たる節がありますね。

7年生(中学1年生)になった時に
今度はラテン語の勉強を始めることに。

アメリカでも日常的に使うことはない言語。
この時に語学学習のコツをつかむように。

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4518-e1521453284885.jpg” name=”TIM” type=”r”]言語はある種のシステムなんだ!
パズルのように規則性もあるし
それを把握すればいいだけなんだ!
[/voice]

しかしまだその時も、自分は語学が得意だとは思っていなかったそうです。

勉強法を理解し、言語学習が趣味と思えるように

13歳の時にイスラエルとパレスチナ間の
紛争について興味を持ったので調べたくなったので
ヘブライ語の勉強をスタートしました。
この直列的思考、僕は大好きです。

しかし何をどう勉強すればいいのか
さっぱりわからなかったという彼は

とりあえずヘブライ語のラップを聞きまくり
歌詞を覚え暗唱しまくったそう。
オンラインで母国語話者とのチャットも開始。

今までの『頭で覚える勉強法』から
『体で感じる勉強法』に変わったことで
理解度がびっくりするくらいしました。

もちろんまだ発音は下手だし
ペラペラに話せるレベルではなかったけど
学校でただ勉強するだけでは
できなかったことができるように。

言語学習のコツをつかんだ彼は
9年生(中学3年生)の時に
アラビア語を勉強始めます。
夏休みの短期講座があったそう。

そしてたった一ヶ月のアラビア語学習で
問題なく読み書きができる
までに成長。
さすがに凄すぎる。

この頃にティムは『外国語取得は僕の趣味』
感じるようになりました。当時まだ15歳。
僕らのような凡人が高校受験で
ヒーコラ言ってる時代です。

『YOUTUBEに動画投稿』で、学び舎が世界に広がる

ひどい不眠症持ちで眠れぬ日々が続いた彼は
言語学習にさらにのめり込むように。
アラビア語やヘブライ語の学習も
開始するようになりました。

そんな眠れぬとある夜に
思い立って動画を撮ってみることに。

アラビア語を話す自分の姿を録画し
字幕をつけてYouTubeにアップしました。
題して『ティムのアラビア語』

その翌日にも同じように
『ティムのヘブライ語』の動画をアップ。

するとコメントに面白い反応が。

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2017/12/Person-Symbol-1.png” name=”コメント” type=”l”]「ここの母音の発音を直すと良いかもよ」[/voice]
[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2017/12/Person-Symbol-1.png” name=”コメント” type=”l”]「この単語は正しくはこう発音するのでは」[/voice]

一人で教科書を音読して
PCの画面を眺めていた彼の勉強法は
ネットを通してリアルな体験を得られるように。

世界中の見てくれている人たちが
先生となり会話の練習相手となり
その楽しさにハマってしまったそうです。

彼の語学勉強法は広い世界に飛び出しました。


言語の勉強はその国の文化と思想を知ることと同義

ニューヨークに住んでいる若者が
どうしてパシュトー語やオジブワ語など
名前も聞いたこともないような言語を
勉強しているのでしょうか?

そこには彼なりの確かな信念がありました。

[voice icon=”http://poly-somme.staba.jp/wp-content/uploads/2018/03/img_4518-e1521453284885.jpg” name=”TIM” type=”l”]ニューヨークでは色々な言語が使われているのに
アメリカ文化は英語以外受け付けない感じ。
それが僕にはとても耐えられない。
[/voice]

正直、言語を多く学習することは
なかなか理解されにくいことです。

『別に必要に感じられないし
英語だけ話せるのなら問題ないんじゃないか』

そんな問いにはこの言葉が一番適切な回答だと感じました。

相手がわかる言語で話すと相手は頭で理解する
一方、相手の言語で話しかけると言葉は相手の心に届く

言語と文化も深く結びついている

数多くの言語を勉強している彼が一番強く感じることは

[aside type=”boader”]言語と文化、思考は深く結びついている [/aside]

という点。

単語がわかるだけで
その言語を話せるようになれるとは限らない
ということです。

例えばペルシア語で「これはいくら?」
というフレーズを覚えたとします。

じゃあ実際ペルシア語の書店に行き
覚えたての「これはいくら?」と聞いたとしましょう。

その時に帰ってくる言葉はこちら。

『価値がありません』と答えられるそう。

本当に価値がないわけではなく
ペルシャ文化に根付いている
『タラフ』という慣習が原因だそうです。

ざっくりいうと
お互いに本心から謙遜し
相手を持ち上げようとする行為』
です。

ここで「いくらですか?」と聞かれた時のタラフ的返答の仕方は

お代は要りません。
お客様は美しくて賢い方ですから。

同じく「ありがとう」をペルシア語で覚えたとします。
しかし実際の会話で耳にした表現はこちら。

『私の命のあなたに捧げます』

この他にもペルシア語には
何か詩的な言い回しが多く存在するらしいのです。

ペルシア語に限った話ではなく
英語にも当然存在する表現方法で

例えばBless youと言う表現。
誰かがくしゃみをした時に
話してあげる言葉です。
これを日本語風に訳そうとするなら

Bless You』=『神の御加護があらんことを』

もちろん宗教的な意味合いなんてものはなく
くしゃみをした時にかけてあげる言葉というだけ。

言葉に意味は宿りません。
言葉を発した人の思考が伴って
はじめて意味を宿すのです。

言語学習はその国の価値観を受け止める行為

世界では今、戦争や飢饉が原因で
二週間にひとつの言語が消滅しています。
その言語を誰も使わなくなるからです。

『言語は価値観や文化
そして思考と結びついている

つまり、言語消滅と同時に価値観や文化も
消滅してしまっているのです。

言語の消滅を防ぐために我々が必要なのは
その言語を覚えることではなく
その国の価値観を受け止めることが大事だ

主張し彼のスピーチは締めくくられました。

まとめ

なんか話が壮大になってしまいましたが
言語学習の魅力を熱く語ったスピーチでした。
これでまだ20歳そこそこだから末恐ろしい…

僕も自分が外国語を多く取得することできっと
今まで知りえなかった新しい世界への
可能性が広がる
という一心で勉強中です。

ちなみに


今回紹介した動画の『TED』という動画。

ほぼすべての動画に英語や日本語だけでなく
20カ国ほどの字幕が付いています。
訳もかなり正確。

もちろんスピーチする人は
世界各国からの選出。言語学習にすごい役立ちますよ!

[btn]TED』の動画を見てみる[/btn]